日本の海域別・季節の釣りカレンダー:12ヶ月を完全網羅
北海道から沖縄まで、日本の海域別に12ヶ月の釣り物を一覧化。月ごとに狙えるターゲットと、ベストシーズンを逃さないための準備ポイントを解説する。

はじめに:日本の釣りは「季節と地域」で語る
南北に長い日本列島は、海域ごとに水温、海流、地形が大きく異なる。同じ「秋の釣り」といっても、北海道では冬支度に入る時期であり、沖縄ではまだ初秋の青物シーズンが続く。この地域差を意識せずに釣行計画を立てると、せっかくの好機を逃したり、外したりすることになりかねない。
本記事では、日本を5つの海域に区分し、それぞれの12ヶ月の釣り物カレンダーを整理する。最後にシーズンインを逃さないための準備の考え方も解説する。
海域区分と特徴
本記事で扱う5つの海域は次の通りである。
- 北海道・東北日本海側:寒冷で水温変化が大きい。サクラマス、ヒラメ、ホッケが主役
- 太平洋側(東北〜関東):黒潮と親潮がぶつかる豊穣の海。青物、シーバスが充実
- 東海・近畿太平洋側:年間を通して多魚種が狙える。アオリイカ、シーバスの聖地多数
- 瀬戸内海・日本海西部:穏やかな内海と季節風の対比。タイ、メバル、青物の好フィールド
- 九州・沖縄:暖海性魚種の宝庫。GT、シイラ、ロウニンアジまで狙える特殊海域
1月:厳冬期の本命と隠れた好機
北海道・東北日本海側 氷下のワカサギ釣りが本格化。海では宗谷海峡周辺でホッケが好調。
太平洋側(東北〜関東) 湾奥シーバスのバチパターンが始まる。東京湾、相模湾でアマダイ、カワハギ船釣り。
東海・近畿太平洋側 紀伊半島でブリ、ヒラマサのジギング最盛期。和歌山沖の寒ブリは脂が乗り絶品。
瀬戸内海・日本海西部 日本海ではヤリイカ、ハタハタ、白甘鯛。瀬戸内では寒ガレイ、メバルが本格化。
九州・沖縄 五島列島でクエ釣りが熱い。沖縄ではガーラ(ロウニンアジ)、タマンが堤防から狙える。
2月:ロウシーズンの工夫が問われる月
水温が年間最低となる海域が多く、釣り物が絞られる。逆に言えば、当たれば大型が出やすい月でもある。
北海道・東北日本海側 ホッケに加えて、噴火湾でマダラ、外房でヒラメの大型実績が高まる。
太平洋側(東北〜関東) 東京湾シーバスのバチ抜けがピークに。鹿島灘でヒラメ釣り。
東海・近畿太平洋側 渥美半島、伊豆半島でメジナのフカセ釣り。寒メジナは身が締まり食味抜群。
瀬戸内海・日本海西部 冬のメバリングが面白い時期。常夜灯まわりでアフタースポーン狙い。
九州・沖縄 玄界灘でヒラマサのキャスティング。沖縄では各種ベラ、ウミタナゴが堤防で。
3月:春告魚と乗っ込みの始まり
水温が上がり始め、産卵を控えた魚が浅場に接岸し始める季節。
北海道・東北日本海側 東北日本海側でサクラマスの遡上シーズン開幕。
太平洋側(東北〜関東) 湾奥シーバスはハクパターンへ。クロダイの乗っ込み準備も始まる。
東海・近畿太平洋側 春のアオリイカ(親イカ)が接岸開始。和歌山、紀伊半島の各漁港で実績。
瀬戸内海・日本海西部 メバル、カサゴが浅場に上がる。瀬戸内のシーバスは乗っ込みのプリスポーン期。
九州・沖縄 壱岐、対馬で大型ヒラマサが回遊。沖縄ではタマンが浅場で産卵絡みで狙える。
4月:本格シーズン開幕
多くの海域で活性が上がり、釣り物が一気に増える月。
北海道・東北日本海側 サクラマスが本格シーズン。船と岸の両方で狙える。
太平洋側(東北〜関東) シーバスのアフタースポーン期。湾奥でハクパターンが継続。
東海・近畿太平洋側 春のキロアップアオリイカのチャンス。紀東、紀南で実績が高い。
瀬戸内海・日本海西部 明石海峡でマダイの乗っ込み。瀬戸内のメバル、クロダイも好調。
九州・沖縄 博多湾でアジ・サバの好シーズン。沖縄では浅場でグルクン狙い。
5月:青物接岸とライトゲームの黄金期
水温が安定して上がり、ベイトとともに青物が接岸する月。
北海道・東北日本海側 海岸からのヒラメ、マゴチが面白くなる。
太平洋側(東北〜関東) 東京湾でシーバスのコノシロパターン後半戦。相模湾でカツオ船開幕。
東海・近畿太平洋側 紀伊半島のショアジギングで青物の好シーズン。
瀬戸内海・日本海西部 キス釣りシーズン開幕。瀬戸内のキスは数も型も期待できる。
九州・沖縄 五島で大型ヒラマサのトップウォーターゲーム。沖縄ではジギングでマグロ族が狙える。
6月:梅雨と濁りを味方につける
梅雨入りで天候が不安定になるが、雨後の濁りはチャンスタイム。
北海道・東北日本海側 ヒラメ、マゴチの好シーズン継続。サクラマスは終盤戦。
太平洋側(東北〜関東) 湾奥シーバスは梅雨ベイトパターン。雨後の濁りは大物のチャンス。
東海・近畿太平洋側 紀伊半島の磯で梅雨グレ。クロダイの落とし込み釣り好機。
瀬戸内海・日本海西部 タチウオの船釣りシーズンイン。瀬戸内では数も期待できる。
九州・沖縄 玄界灘で大型イサキ。沖縄ではアオリイカ大型実績。
7月:盛夏の好況と注意点
水温が上がり、青物と回遊魚が本格化する一方、熱中症対策が必須となる月。
北海道・東北日本海側 海岸からヒラメ、マゴチ。エゾメバルもライトゲームで楽しめる。
太平洋側(東北〜関東) 東京湾でタチウオ船開幕。鹿島灘でヒラメ。
東海・近畿太平洋側 紀伊半島ジギングでハマチ、メジロが数釣り。チヌの落とし込みも好期。
瀬戸内海・日本海西部 タチウオ、ハマチが本格化。瀬戸内のキスは型がよくなる。
九州・沖縄 鹿児島でシイラ船開幕。沖縄ではトップでGT、シイラ、カツオが狙える。
8月:夏枯れと早朝の戦い
水温が高すぎて魚が深場に落ちる「夏枯れ」が起きやすい月。早朝・夕マズメに集中したい。
北海道・東北日本海側 比較的水温が安定し、本州が夏枯れの中でも好調を維持。
太平洋側(東北〜関東) 鹿島灘でヒラメ、マダコ船好調。シーバスはナイトゲーム中心に。
東海・近畿太平洋側 紀伊半島のオフショアでカツオ、シイラの好シーズン。
瀬戸内海・日本海西部 タチウオの数釣りピーク。ハマチ、サゴシも回遊。
九州・沖縄 シイラ、カツオ、マグロ族の好期。沖縄では夜のタマンが熱い。
9月:秋の数釣り開幕
水温が下がり始め、ベイトと共に魚が再び浅場に上がる季節。
北海道・東北日本海側 鮭釣りが本格スタート。北海道全域で大盛況。
太平洋側(東北〜関東) 東京湾シーバスの落ちアユパターン。相模湾でカツオ続行、青物開幕。
東海・近畿太平洋側 秋のアオリイカ(新子)シーズン開幕。数釣りが楽しめる。
瀬戸内海・日本海西部 タチウオ、ハマチ、サゴシ、サワラと多種が狙える黄金期。
九州・沖縄 壱岐対馬で大型ヒラマサ。沖縄ではマグロ族の好期。
10月:ベストシーズン真っ只中
多くの海域で「年間ベスト」と呼べる好況が続く月。
北海道・東北日本海側 鮭釣りピーク。岸と船で大盛況。
太平洋側(東北〜関東) 湾奥シーバスの最盛期。コノシロパターンで大型実績。
東海・近畿太平洋側 青物、シーバス、アオリイカが揃い踏み。年間で最も多魚種が狙える月のひとつ。
瀬戸内海・日本海西部 タチウオが指5本級の大型期。サワラのキャスティングも好調。
九州・沖縄 玄界灘ヒラマサ、対馬マグロ。沖縄ではGT好期続く。
11月:晩秋の大型シーズン
水温が下がり、産卵を控えた個体が荒食いする時期。
北海道・東北日本海側 ホッケ、ソウハチ、マダラの船釣りシーズン。
太平洋側(東北〜関東) 東京湾シーバスのランカー期。鹿島灘でヒラメ大型実績。
東海・近畿太平洋側 寒グレ、寒チヌのシーズンイン。アオリイカは型狙いへ。
瀬戸内海・日本海西部 寒鰤シーズンイン。瀬戸内のサワラも大型期。
九州・沖縄 寒ブリの五島・玄界灘ジギング開幕。
12月:寒の好機と年末釣り納め
寒くなる一方、脂が乗った魚が狙える「ご褒美シーズン」。
北海道・東北日本海側 ホッケ、マダラ、ヤリイカが好シーズン。
太平洋側(東北〜関東) 東京湾アマダイ船、相模湾カワハギ船が人気。シーバスのバチパターン前哨戦。
東海・近畿太平洋側 寒ブリ、寒メジナの本格シーズン。
瀬戸内海・日本海西部 寒ガレイ、寒メバルのライトゲームが楽しい時期。
九州・沖縄 五島でクエ、玄界灘でヒラマサ。沖縄では年中変わらず温暖な釣りが楽しめる。
シーズンインを逃さない準備の考え方
季節の釣り物には、必ず「数年に一度の当たり年」がある。同じ「秋のアオリイカ」でも、海水温の推移や黒潮の蛇行によって、爆釣の年と苦戦の年が分かれる。
シーズンインを逃さないために、次の3つを習慣化したい。
1. 前年同月の釣果ログをレビューする:過去の自分の記録が最大の参考資料 2. 海水温の推移を確認する:シーズンインは水温で決まる。平年より早いか遅いかを把握 3. SNSと地域情報を組み合わせる:地元アングラーの速報は何よりも早い
DAJAPは、これらの情報を釣り人がワンストップで確認できるサービスとして開発中である。気象・海象データに加えて、釣果ログの記録・分析機能、地域別シーズン情報のキュレーションまで提供することを目指している。
おわりに
日本という国は、釣り人にとって稀有なほど恵まれた環境である。南北3000キロにわたる海岸線、4つの海流が交わる多様な海洋環境、四季のはっきりした気象。それぞれの季節と海域に「今しかない釣り」がある。
このカレンダーが、あなたの次の一年の釣行計画の参考になれば幸いである。釣り場でお会いできる日を楽しみに。